食香バラの香り

1) 食香バラ 香りの特徴

食香バラ 豊華(ホウカ)と紫枝(ズズ)は、バラ特有の華やかな香りとそれに加えて爽やかな香りが特に強いバラです。花の香は、花弁に多く含まれますので花びらが多いほど香りの総量は多いのです。
ハマナスと比較した香り成分の比較分析は、農研機構の大久保直美博士が AROMA RESEARCH NO.62/.2 2015にて研究論文を発表しています。 分析表をグラフにしてありますのでご覧ください。

花の香りは、様々な香り成 分がカクテルのようにミックスされているのがわかります。
食香バラは、馥郁とした甘い香りの成分βーcitronellol(ベータシトロネロール)の成分が特に多い事。
そしてバラの華やかな香り成分のGeraniol(ゲラニオール)の成分が多い事を特徴としています。

2) 食香バラ 食味の秘密

食香バラは、香りが特に優れるばかりではなく、食に特化したバラですので食味が良く、生の花をテンプラやフリッターに、そして、砂糖でもんでジャム、饅頭の餡などにします。
それは、他のバラに無い特徴です。 それは、なぜ故可能なのでしょうか?
これも、大久保博士の論文引用です。
ガスクロマトグラフィーーマススペクトロメトリー(GC-MS)を使い平陰メイク(食香バラ)ブルガリアバラのローズオイルの香り成分組成(%)を分析した結果ですが、興味深いデータがあります。
香りの成分では無いのですが、精油に含まれているHydrocarbonsと言う成分に平陰バラ(食香バラ)とブルガリアローズには、大きな違いがあるのです。

平陰バラ ローズ精油 ブルガリアバラ ローズ精油
Hydrocarbons 2.30% 21.30%

Hydrocarbonsとは、炭化水素を表しますが、この場合、ワセリン等のワックス成分の事を言います。 口に含んだ場合、それは、悪い食味として感じます。 平陰バラ(食香)バラのワックス成分は、ブルガリアバラの九分の一なのです。